院長ごあいさつ
当院は、昭和52年(1977年)に開設された国立療養所湯田川病院が、平成13年(2001年)3月、国の国立病院・療養所再編計画で鶴岡市に委譲され、「鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院」となり、一般社団法人鶴岡地区医師会が運営を委託されて今日に到っております。
当院の入院病棟は、これまで、「回復期リハビリテーション病棟」、「地域包括ケア病棟」そして「療養病棟」の三種類の病棟で運用して参りましたが、2024年9月より、「療養病棟」を廃止し、「回復期リハビリテーション病棟」と「地域包括ケア病棟」の2種類の病棟で運用しています。「療養病棟」は、疾病が長期化したり重度の障害をお持ちで、回復困難な患者さんが中心の病床でしたが、昨今の国の医療方針を受け入れ、「リハビリテーション」の有効性を前面に出した、前記二種類の病棟で運用して参ります。「回復期」病床は、急性期病院での治療だけでは身体能力が回復せず、自宅退院や社会復帰出来なかった患者さんに、リハビリテーションを中心とした医療を提供し、自立できる生活能力の獲得や社会復帰を目指します。また、「地域包括ケア病棟」は、高度急性期病院などから患者さんを受け入れる機能(ポストアキュート)ばかりではなく、施設で療養中や在宅の方が、事故や急に様態が悪化し、病院での診療が必要となった患者さんの受け入れ(準緊急(サブアキュート)機能)、また、レスパイト(自宅療養中の患者さんの介護を、一時お引き受けする)や、お看取り、緩和医療が必要な患者さんの受け入れなどの機能を持っています。また、急性期病院に搬入後、急性期病院の判断で「中等症(それほど重症ではない)」とされた患者さんの、受け入れ(下り搬送と言います)も、当院入院対象となります。なお、これら病棟の入院期間には、それぞれ期限がありますのでご了承ください。また、外来通院によるリハビリ(デイケア)(介護保険認定が必要)も運用しています。退院された後、必要な場合は是非ご利用ください。デイケアでは、必要に応じ医師が診察、対応致します。これら詳細については、当院医事課にお問い合わせください。
当院の医師、看護師、リハビリテーション療法士始め医療スタッフは、それぞれの専門分野で知識と技術を磨き、それぞれの役割を担い、連携して医療(チームワーク医療)を行っております。また、温かく患者さんに寄り添い、励まし、患者さんやご家族が希望と元気が持てるようサポートし、病院一丸となって患者さんの回復、退院に向け支援してまいります。
院長 武 田 憲 夫
基本理念
基本理念
私たちは、患者・利用者の皆様の尊厳と自己決定権を尊重し、心の通った医療、 介護とリハビリテーションを提供します。
基本方針
- 患者・利用者に必要な情報を提供し、良質で安全・安心な医療、介護とリハビリテーションを提供します。
- 地域の医療・介護・保健福祉施設等との連携を図り、地域包括ケアシステムの構築に貢献します。
- 緊密な職種間連携の下、患者・利用者の権利を尊重し、信頼関係の構築に努めます。
- 公共性に配慮しつつ、健全な病院運営に努めます。
- 湯田川温泉を有効活用するとともに、療養環境の充実に努めます。
- 医療人としての職員教育に努め、病院機能の充実・向上を図ります。
患者憲章
鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院は、患者さんと私たち医療提供者とが互いの信頼関係を築いていくことで、より良い医療サービスが実現できるものと考えます。また、そのためには患者さんから主体的に医療に参加していただくことが必要です。
このような考え方に基づき、鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院は、ここに「患者憲章」を制定しこれを遵守いたします。
- 患者さんは、良質で安全な医療を公平に受ける権利があります。
- 患者さんは、一人の人間として、その人格、価値観などが尊重され、医療提供者との相互の信頼と協力関係のもとで医療を受ける権利があります。
- 患者さんは、病状、検査、治療、見通しなどについて、理解しやすい言葉や方法で、納得できるまで十分な説明と情報を受ける権利があります。
- 患者さんは、十分な説明と情報提供を受けたうえで、治療方法などを自らの意思で選択する権利があります。
- 患者さんは、当院での診断や治療方針について、他の医療機関に意見(セカンドオピニオン)を求める権利があります。
- 患者さんは、個人の情報やプライバシーについて保護される権利があります。
- 患者さんは、安全、適切な医療を受けられるよう病院が定めた諸規則を守り、協力する責務があります。
病院のご案内
当院は、超高齢化社会となっている当地域の医療を守るため、急性期病院で手術や治療を受けられた患者さんが、リハビリテ ーションや更なる治療が必要な時にお引き受けし、退院、そして課程や社会復帰に向け更なる医療を提供する病院です。また、地域や在宅で体調不良となった方、介護を受けている患者さんをお引き受けし、リハビリテーションや必要な医療の提供、また日頃介護をしているご家族に休息の時間を提供する(レスパイ ト)などの機能も持っています。
リハビリテーション医療を中心として地域ニーズに応える病棟運営
急性期の入院サービスを担う地域医療機関と密接な連携を図り、急性期治療を経過した患者さんを早期から受け入れ、回復期におけるリハビリテーション医療を集中的に提供できる「回復期リハビリテーション病棟」、ご自宅や施設で体調不良になった方の入院治療や患者を支えるご家族の負担軽減、サポートを行う「地域包括ケア病棟」を設置し、リハビリテーション医療を中心とした回復期・慢性期医療の拠点として地域ニーズに応えています。
維持期リハビリテーションを中核とした在宅サービスの拠点
介護保険による維持期リハビリテーションの居宅サービスとして通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)を提供しています。
特に、天然温泉を活用したリハビリテーションと入浴サービスの充実に努めています。
機能と役割
概要
名 称 | 鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院 |
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開設者 | 鶴岡市 |
管理運営 | 一般社団法人 鶴岡地区医師会 |
所在地 | 〒997-0752 山形県鶴岡市湯田川字中田35番地10 TEL 0235-38-5151 FAX 0235-38-5152 |
診療科 | 内科、脳神経外科、リハビリテーション科 |
病床数 | 120床 (療養病床) 内訳: 第1病棟 40床 第2病棟 39床 第3病棟 41床 |
外来診療 | ■診療日 月曜日~金曜日 (祝日、お盆[8月13日]及び年末年始を除く) ■診療時間 午前8時30分~午後5時30分まで |
デイケア | ■営業日 月曜日~金曜日 (年末年始を除く) ■サービス提供時間 午前10時~午後4時 (送迎時間は含みません) |
施設基準等 令和7年4月1日現在 |
■医療保険
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病院の組織図
病院の沿革
当院は、旧国立療養所湯田川病院が、国立病院・療養所の再編成・合理化計画で、経営移譲の対象施設になったため、平成13年3月1日国から鶴岡市が譲り受けて、(一社)鶴岡地区医師会に運営を委託する公設民営の病院として新たにスタートしました。
移譲に際し、完全型療養病床への転換のため、病室、廊下等を拡張するなど病棟を中心に改修し、さらに、移譲後の平成13年には、長期療養の病院にふさわしい機能を拡充するため、全館の内装と空調・正面玄関の全面改修、機能訓練室をはじめとするリハビリ関連のスペースの拡張、通所リハビリテーション棟の増築など大規模改修工事を行いました。
平成29年から令和2年までの間には、機能訓練室の拡張、病棟患者食堂の増築、病棟照明のLED化、ナースコール設備、冷暖房設備、外壁補修・配管を更新するなど第2次大規模改修を行い、療養環境の向上に努めています。
病 院 年 表
昭和52年 | 7月 | 国立療養所湯田川病院開設(新築移転) 150床(結核100床、一般50床) |
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昭和59年 | 1月 | 病床種別・病床数の変更150床(結核50床、一般100床) |
平成 5年 | 9月 | 病棟集約100床(結核50床、一般50床) |
平成11年 | 3月 | 病棟集約50床(一般50床) |
平成13年 | 3月 | 国から鶴岡市に移譲 鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院開設 内科・リハビリテーション科 療養型病床群120床 医療保険適用病床(療養病棟入院基本料79床) 介護保険適用病床(療養型介護療養施設41床) |
平成14年 | 1月 | 通所リハビリテーション開設 |
6月 | 総合リハビリテーションA施設(理学療法(Ⅰ)、作業療法(Ⅰ)) | |
7月 | 嚥下食(ソフト食)開始 | |
8月 | 嚥下造影検査開始 | |
9月 | 言語聴覚療法(Ⅰ) | |
平成15年 | 7月 | 医療保険適用病床1棟を回復期リハビリテーション病棟に転換 回復期リハビリテーション病棟入院料 40床 療養病棟入院基本料 39床 |
平成16年 | 1月 | 磁気共鳴コンピューター断層撮影装置(MRI)共同利用開始 |
平成17年 | 3月 | 日本医療機能評価機構 病院機能評価認定(療養病院) |
平成18年 | 4月 | 脳血管疾患等・運動器・呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ) 介護予防通所リハビリテーション |
10月 | 地域連携診療計画退院時指導料(大腿骨頚部骨折) | |
平成19年 | 9月 | 介護保険適用病床廃止(医療保険適用病床(療養病棟入院基本料)に転換) |
11月 | 回復期リハビリテーション病棟 増棟81床(療養病棟入院基本料39床) | |
平成20年 | 10月 | 回復期リハビリテーション病棟入院料1 81床 重症患者回復病棟加算 |
平成21年 | 1月 | 地域連携診療計画退院時指導料(脳卒中) |
平成22年 | 6月 | 日本医療機能評価機構 病院機能評価認定更新(療養病院) |
平成23年 | 11月 | 休日リハビリテーション提供体制加算 |
平成25年 | 7月 | 標榜診療科に脳神経外科を追加 |
平成27年 | 3月 | 日本医療機能評価機構 病院機能評価認定更新(リハビリテーション病院) |
平成31年 | 3月 | 機能訓練室増築 |
令和元年 | 7月 | 病棟患者食堂増築 |
9月 | MRI装置更新 | |
10月 | 認知症ケア加算1 | |
令和2年 | 3月 | 病棟暖房設備・照明LED化等改修 |
4月 | 日本医療機能評価機構 病院機能評価認定更新(リハビリテーション病院) 療養病棟39床のうち9床を地域包括ケア病床に転換(療養病棟入院基本料 30床) |
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8月 | 地域包括ケア病床を19床に増床(療養病棟入院基本料 20床) | |
令和3年 | 9月 | 地域包括ケア病床を25床に増床(療養病棟入院基本料 14床) |
令和5年 | 11月 | 地域包括ケア病床を29床に増床(療養病棟入院基本料 10床) |
令和6年 | 9月 | 療養病棟入院基本料を廃止し、1棟39床を地域包括ケア病棟に転換 |
病院の特徴
豊かな自然環境に恵まれた自然空間
当院は、小高い丘に立地しております。周囲を見渡せば、出羽の聖域出羽三山をはじめ、出羽富士と称される秀麗な鳥海山。また、一面に広がる水田は、初夏の風に吹かれる若々しい緑色の苗。秋は黄金色に染まり、深くコウベをたれた稲穂の波。そこから眺める景色は美しい自然のパノラマです。


自立を促す空間としての療養環境
「穏やかで、活気のある療養環境づくり」を目指し、それぞれの空間の特徴を明確にするよう工夫しています。
玄関・エントランスホール
病院の顔としての正面玄関は、門口を広げ、雨天時にも車を横付けして出入り出来るよう、配慮しています。
玄関を入ると、ゆったりくつろげるホールが広がります。


中庭
リハビリテーションの一環として、野菜作りや園芸、歩行訓練(散歩コース)の場として利用されています。



病室
病室はプライバシーに配慮し、個室26室、特別個室2室があります。療養環境を重視し、一床あたりの空間はゆったりとしています。病棟各階には、車椅子に対応したトイレが複数設置されており、個室(重症者用個室を除く)と特別室には、各部屋にトイレがあります。食堂は談話室と共用となっています。1階の病棟浴室は、湯田川温泉(源泉)を引いたものです。車椅子のままで入浴できる特殊浴室が2階、3階にあります。


歯科診察室
歯科往診を受けられるよう、歯科診察室があります。

その他
ボランティアの方々のご協力により、廊下の壁には、自然や生活風景等を題材にした絵画、写真等の作品が飾られ、気持ちを和やかにしてくれます。
心地よい時間を過ごしていただくため全館内にBGMが流れ、快適な療養環境を提供できるよう努めております。


天然温泉
湯田川温泉は、鶴岡の奥座敷と称される静かな温泉街。その天然温泉を活用し、リハビリテーション医療の充実を図っています。環境省から「国民温泉保養地」の指定を受けており、豊富に湧き出る湯量にナトリウム、カルシウムを含んだ硫酸塩泉で動脈硬化や慢性皮膚病などに効能も顕著です。



