個別性を重視したチーム医療を目指しています
患者さんは一人一人症状も病気の種類も違います。入院後、治療方針に基づいて看護師は看護計画をたて、個別性のある看護を展開していきます。その後、担当スタッフによるカンファレンスを行い、チームアプローチのためのプランを作成し「リハビリテーション総合実施計画書」を用いて患者さん、またはご家族の方に治療方針、看護・介護・リハビリテーションの各評価についての説明が行われます。そして、医師を中心に、カンファレンスを重ね看護・介護・リハビリテーションスタッフなどとの連携による包括的な最良のチーム医療の提供をしています。
第1・第3病棟(回復期リハビリテーション病棟)
回復期リハビリテーション病棟とは
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患または大腿骨頚部骨折などの病気で急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。
看護師の役割
患者さんやその家族と信頼関係を築きながら、ニーズを把握し、必要な看護や対応を考え、起きる、食べる、歩く、トイレへ行く、お風呂に入るなど(これらを「日常生活動作」(ADL)といいます)への積極的な働きかけを行い、回復や自立に向けたサポートを支援していきます。円滑にリハビリテーションを提供できるように、チーム医療における連携をコーディネートすることも役割としています。
私たちは個別性を重視したチーム医療を目指しています
患者参画型看護計画を導入し、患者さん、ご家族と一緒に、治療方針を検討し、個別性のある看護、リハビリを提供していくよう努力しています。回復期リハビリテーションチームで連携を図り、定期的に栄養・リハビリ・症例・退院訪問前後等のカンファレンスを行い、患者さん、ご家族へのチームアプローチを行っております。
回復期リハビリテーション病棟ケア 10項目宣言に取り組んでいます
- 食事は食堂やデイルームに誘導し、経口摂取への取り組みを推進しよう
- 洗面は洗面所で朝夕、口腔ケアは毎食後実施しよう
- 排泄はトイレへ誘導し、オムツは極力使用しないようにしよう
- 入浴は週2回以上、必ず浴槽に入れよう
- 日中は普段着で過ごし、更衣は朝夕実施しよう
- 二次的合併症を予防し、安全対策を徹底し、可能な限り抑制は止めよう
- 他職種と情報の共有化を推進しよう
- リハビリ技術を習得し、看護・介護ケアに生かそう
- 家族へのケアと介護指導を徹底しよう
- 看護計画を頻回に見直し、リハビリ計画に反映しよう
回復期リハビリテーション病棟は実生活の場
患者さんの生活の場である病棟で、各専門職が情報の共有化を図り、移動・食事・排泄・入浴・更衣へのケアを行い、日常生活動作の自立に向けた支援をおこないます。また、家庭に近い環境で動作訓練が行えるよう和室、洗濯や調理室の設備を整え訓練しています。自転車や自動車運転に向けた評価もおこなっております。

調理実習風景

自宅の環境に合わせた改修の提案を行い、
必要な訓練も取り入れています
退院生活指導
入院中に、リハビリスタッフ・看護師・医療ソーシャルワーカーが患者さんと一緒に自宅を訪問し、ご家族やケアマネージャー立ち合いのもと、生活環境をお伺いします。結果をもとに、自宅改修案を提案しています。また、退院後も、安心して生活が送れるように、患者さんの病状や必要な介護方法について、パンフレットを用いて、退院指導を行います。
第2病棟(地域包括ケア病棟)
地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟は、急性期の治療を終えた患者さんや、何らかの理由で一時的な入院を余儀なくされた患者さんや直ぐに在宅や施設へ移行するには不安のある患者さんに対して、在宅復帰に向けて支援したり準備したりする病棟です。回復期リハビリテーション病棟との違いは、病名に関係なく入院できる病棟であり、廃用症候群や認知症を含む患者さんの病状に応じて、包括算定を活かしたリハビリテーションを提供していきます。
地域包括ケア病棟への入院対象
・急性期病棟で治療を終えたが、経過観察や療養が必要な患者さん
・在宅・生活復帰のために支援が必要な患者さん
・在宅療養していたが、急性疾患により入院が必要になった患者さん
・家族の事情で、在宅療養が一時的に難しくなった患者さん
看護師の役割
地域包括ケア病棟は在宅・生活復帰支援の役割を担っているため、在宅復帰を見据えた看護が求められます。また在宅復帰を見据えて看護するためには、入院前の生活状況を把握したうえでの退院調整が必要です。地域の専門職種とも連携し、退院調整を円滑に進めていきます。さらに、ひとつの診療科に特化した病棟と異なり、さまざまな疾患の患者さんの看護を行うため、幅広い疾患の知識を学び対応します。
清潔で安全な療養環境のもとでのリハビリテーション
疾病の長期化、あるいは医療的処置を必要とする患者さんの身体機能が回復できるようリハビリテーションを行って行きます。各職種間、地域との連携を密にして、在宅復帰、社会復帰に向けて支援していきます。
退院前指導
自宅に退院となる患者さんのご家族に、経管栄養の指導を行っているところです。
在宅復帰に向けて関係福祉機関との連携
入院中の経過、方針、さらには残された課題や可能性について患者さんとご家族、病棟スタッフ、リハビリスタッフ、相談員(医療ソーシャルワーカー)が話し合い、安心して在宅生活に移行できるように居住環境の改善や介護保険制度などによる在宅サービスの利用について関係福祉機関と連携しています。

担当者会議
(サービス担当者、ケアマネージャー、ご本人、
ご家族を交え、退院後の生活を支えるための
話し合いを行います)

カンファレンス(チーム医療)の様子